2004年1月10日土曜日

我が国とこの国(4)アンガージュマン 2004.1.X 初出

梅棹忠夫という学者が半世紀近く前に書いた
文明の生態史観(中公クラシックス)
という本の中で、日本の知識人とフランスの知識人は
為政者の側に立ってものを考える傾向がある、と
指摘されています。ドイツなどもそういった傾向が
あるとの事です。
フランスでは、サルトルという文学者が
アンガージュマン(政治参加)という概念を提唱していましたし、
日本でも、物書き、の政治的発言はかなり
多いような気がします。

政治なんか関係ない、とばかりに
ストーリーものばかり書いている人の評価は
意外と低かったりします。

ただこれは難しいところで
あまり政治経済に関わりすぎると
ストーリーの世界に戻れなくなってしまうという傾向が
あるのです。
ゴーマニズム宣言の小林よしのりさんが
政治経済に関りだした頃
思想家の浅羽道明さんが、適当なところで
引き上げないとストーリーものを
描けなくなくなるぞ、と指摘されていたような
気がしますが
確かにそうなってしまった感があります。

でも、わしズム、の中に掲載されている
よしりん、が登場しない漫画などを読むと
上手くバランスが取れているな、とも思って
しまいます。

小林よしのりさんは、我が国、という主語が
似合う代表のような気がします。
小林よしのりさんの漫画を読んでいると
日本人としてのエスノセントリック(自民族中心主義)を
非常に刺激されるのでとても感情が高ぶってきます。

難しい問題です。我が国、と、この国。



-我が国とこの国(5)へ続く-
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/520041.html


文明の生態史観ほか (中公クラシックス)