2003年12月1日月曜日

ラーメン国技場 仙台場所 2003.12.X 初出

暗い話題ばかりが続いた2003年でしたが
年の瀬は、ラーメン国技場仙台場所で
おいしいラーメンを食べてきたのですよ、という話題で
閉めたいと思います。

国分町虎横通りからトコトコと
西公園へ向かって歩いていくと
ラーメン国技場仙台場所が
見えてきます。
国技場、と名打つだけあって
建物は国技館を模した造りです。

入口のパンフレットを手に取ってみたところ

ラーメンは国民食。
その作り手の、技、をぶつけ合う
テーマ形集合館。

とありました。
たいへんよい感じです。
ラーメン国技場仙台場所。

館内に入ると
すぐ左手に神社が目につきました。
朱色の鳥居もあります。
大変よい感じだと思います。

国技館で行われる大相撲は
スポーツ、というよりも
神事に結びついた日本の文化、なのですが
最近では、スポーツ、のようになってしまいました。
こんな事を書くと、僕が外国人力士が
横綱になることを面白くないと
思っている保守的な人のように思われそうですが
そうではありません。

おそらく巨人の長島監督の引退セレモニーに涙した
世代の人達は、外国人力士が横綱になることに
違和感を覚えていることでしょう。
で、中田選手やイチロー選手の海外での
活躍に胸を躍らせている世代の人達は
自然に受け止めていることかと思います。

大相撲は日本がメジャーなのだ

と取ればすっきりするのですが
中々そうはいかない。
本当に現代はあらゆる分野が過渡期なのだな、と思って
しまいます。

僕は外国人力士が横綱になることは
全く構わないと思います。
ただ、大相撲というのはスポーツではない、という点を
理解してもらえたらよいかと思います。
どうしてしまったのでしょう、僕は。
横綱審議会の委員にでも
なりたがっているのでしょうか。

閑話休題。
相撲の立会いは、力士同士の
阿吽の呼吸、で始まるような気がします。
僕は相撲はあまり詳しくないので
間違っているかもしれません。
ただレフリーが号砲をかけないで
始まるスポーツというのは
あまりないのではないかと思って
しまうのです。
阿吽の呼吸、のエッセイにも
書きましたが、僕は、阿吽の呼吸、を
日本人同士の、阿吽、ではなく
人類の普遍的なものに広げて考えています。
つまり、国籍、人種、を超えて
人間であるならば当然、阿吽の呼吸、で
分かりあえる部分があると思うのです。
だって卵から生まれる人類はいないのだから。
それを妨げているのは、無知と偏見、でしょう。
とてもいいではないですか、阿吽の呼吸、による立会い。

力士は土俵下で力水をつけます。
水、H2Oです。
水の話、のエッセイにも書きましたが
地球上の万物の活動は水の循環によって
なされています。
地球上の大量の水は、太陽熱によって蒸発して雲を形成し、
雲は雨を降らせ、その雨は山肌を洗い
地中のミネラルを含んだ地下水を湧きたたせます。
そしてその湧き出した水分がまたまた太陽熱によって
蒸発し、雲、を形成します。
そういった循環を、宇宙空間から見ると
蒼く見える、わけです。
太陽系の蒼い惑星、地球。

その蒼い地球に住む人類の活動もまた
水の循環によってなされています。
産まれてきた赤ん坊の体は、90パーセントが
水分だそうです。
そしてその割合は成人となるころに70パーセントにまで
下がり、老年に至ると50パーセント以下になるそうです。
子供が水々しく見えて、老人がシワクチャに見えるのは
人体の保水力の違いだ、と言えるのだと思います。
要は、人体の保水力が高ければ高いほど若く見える、という事です。
動物さんも、水、を取らなければ死んでしまうでしょうし、
植物さんも、水、を取らなければ枯れてしまいます。
地球も人類も、動物さんも植物さんも昆虫さんも
粘菌さんも、あらゆる生物は、水、によって
その生命を保たれているわけです。
とてもいいではないですか、土俵下での、力水。

そして力士は土俵に、塩、を撒きます。
全ての生命は太古、海から来た、というのが
現在の定説のようですし
そもそも人体は塩を切らしたら持ちません。
盆地甲斐の武田信玄が塩を切らしていた時
敵対していた越後の上杉謙信が
塩を送ったという戦国美談、敵に塩を送る、の故事は
このエッセイでも以前触れました。

神社でも、水、と、塩、は欠かしません。
神聖なる、水、と、塩、です。
とてもいいではないですか、塩による土俵の清め。

相撲道は、礼儀作法、を、非常に重んじます。
健全なる精神は、健全なる身体に宿れかし、と
古代の詩人も嘆いたように
えてして体力のある者は
教養や人格に問題があったりします。

戦いや争いに勝つと、男性はテストステロンが
放出されて性欲が高まる。
スポーツ大会などで見事勝利し
テストステロンが大量放出されている状態の男性は
多くの女性にとって魅力的であろう、という話は
このエッセイでも度々書いてきました。
でもやはりそういった、人間の動物的な面、を
開き直ってみせてはいけないのではないかと
思ってしまいます。

国技、相撲、においては
強いだけでは横綱になれません。
教養と人格が求められます。
たとえポーズであっても
横綱ともなれば、ちょっとした古典の一節くらいは
述べられなくてはなりません。

これが、スポーツ、となると
話が異なります。
ドーピングをやろうと
相手に嫌がらせをしようと勝てばよい、という話に
なってしまいます。
僕はNBA入りを目指して真剣にバスケットボールに
取り組んでいた時期があるので
その辺はよく分かります。
バスケットボールはとても合理的な、スポーツ、です。
気合十分、という世界とは全然違います。

僕がNBA入りを目指していた頃は
悪童、ことデニス・ロッドマンが
まだデトロイト・ピストンズにいました。
デトロイト・ピストンズは、当時、バッドボーイズ、と
呼ばれていて、勝つためなら何でもやる、というスタイルでした。
ファウルも手の内、暴言、も、突き飛ばし、もあり。
スポーツマンシップなど全く関係ない、という感じでした。
確かに勝てるし合理的ですが
相撲道、とは程遠い世界でした。

相当話が逸れてしまいましたが
大相撲は、スポーツ、ではなくて
神事に結びついた日本の文化なのだよ、という話なのです。

ラーメン国技場仙台場所内の神社さんにも
水、と、塩、が供えてありました。
館内右手には、三瀧山不動院の
神様、仙台四郎さんもおりました。
大変よいな、と思ってしまいます。

僕は何を書いているのでしょう。
早くラーメンを食え、という感じですね。

実は僕は、ラーメン国技場仙台場所に何度か来ていて
熊本好来の黒ラーメン
喜多方坂内食堂の支那そば
和歌山紀一の中華そば
と、食べ歩いておるのであります。
7店出店しているので
3店だけ取り上げるのは
フェアではないので
とりあえず、旨かった、とだけ書いておきます。
いずれ全店制覇してやろうともくろんでいるところで
あります。

首くくる、縄切れもなし、年の暮れ

武士は食わねど、高楊枝

GIVE ME A EARTH!


みなさん、どうぞよいお年をお迎え下さい。




-ラーメン国技場 仙台場所-




関連

  阿吽の呼吸
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/20038_1382.html
  水の話(1)~(5)
http://digifactory-neo.blogspot.jp/2012/09/120038_1467.html