2004年2月1日日曜日

メルマガ創刊記念 百日裁判(3)傍聴券 2004.2.X 初出

喫煙所の一服でエグゼクティブ弁護士に
勝って自信を得た僕は
胸を張ってトコトコと
選挙違反事件の初公判が
開かれる法廷へと向かいました。

法廷内への入口には
裁判所さんのスタッフさんがいて
中に入る人をチェックしているようでした。

僕が以前仙台高等裁判所に遊びに来た時とは
全く異なる雰囲気でした。
どうしてしまったのでしょう。

やはり911テロ以来、セキュリティチェックが
厳しくなっている世情を反映しての措置なの
だろうか、と僕は思いました。

人に疑われる、というのは
やはり面白くないものです。

アメリカ合衆国では、カウボーイ気取りの
史上稀に見る頭の悪い大統領が
海外からの入国者を、テロリスト予備軍だと
して、犯罪者のように指紋を採取するように
なった、なんて話もありました。

自由で輝いていたアメリカは
いったいどこへ行ってしまったのだろう……

などと考えながら法廷の中へ入ろうと
した僕は、裁判所さんのスタッフさんに
呼び止められてしまったのでした。
スタッフさんは、頭のてっぺんから
つま先まで舐めるように僕を見ています。

逮捕されて裁判にかけられるのだろうか……
どうしよう、どうしよう……でもここで
急に走って逃げ出したりしたら
ますますテロリストだと疑われてしまうのでは
ないだろうか……などとその刹那
走馬灯の様に様々な思いが
僕の脳裏をよぎったのでありました。

傍聴券を見せて下さい、とスタッフさん。

何ですと!? と僕。

傍聴券を見せて下さい、と再びスタッフさん。

傍聴券て何ですか? と僕。

再び怪訝そうな表情を見せるスタッフさん。

今回の裁判は、傍聴券のある方しか
傍聴できないのですよ、とスタッフさん。

なんたる事だ、そんなのありか。
僕はカチンときた。
カチンときた僕は
スタッフさんの顔面に一発張り手を
加えてからネクタイを引っ張って
フロアを引きずり回し、二三発腹部に
蹴りを入れた上で、入り口でチケットの
チェックなんかしてるだけで大金貰ってる
この税金ドロボーが、市民に開かれた裁判所を
実現すべく努力しているこの素晴らしい僕様に
仙台市民に非常に関心の高い
百日裁判の初公判を見せないとでも言いのかい
出るとこ出てもよいんだぞ、おい、と
説教の一つもしてやろうか、と思ったのでありますが
気の弱い僕がそんな芸当ができるわけもなく
スイマセンデシタ、とスタッフさんに
謝罪してからトボトボと
喫煙所に舞い戻ったのでした。

ここで読者のみなさんに
お詫びも含めてご報告差し上げなければならないのですが
衆議院宮城一区二区の選挙違反事件における
百日裁判の初公判は、僕が仙台高等裁判所で
傍聴券を取れなかったために
見れなかったのですよ、という話なのです。

さんざん盛り上げておいて
申し訳ないのでありますが
百日裁判は、見れなかったのですよ、という話
なのです。



-メルマガ創刊記念
百日裁判(4)流行語大賞選考室、へ続く-
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