2003年6月1日日曜日

Ⅳ秘密結社の合言葉で大企業の不祥事を考察してみる 2003.6.X 初出

・ゲセルシャフトとゲマインシャフトで
 大企業の不祥事を考察してみる

一頃続いた大企業による企業不祥事の頻発を
僕はなんたる事だ、まさかあの一部上場企業が、と
驚いて見ていましたが、そういった見方は
家族的企業経営を前提としたものの見方だった
と今気がつきました。
既に見てきたように、企業と共同体や個人の
利益はもう一致していないので
一部上場企業といえども日本のために
頑張っているわけではない、という事になります。
ゲセルシャフトとゲマインシャフトが完全に
分離し始めて、資本主義本来の血も涙もないシステムが
稼動し始めているので、企業の目的は単に
利益を上げて株主に利益を還元する事、になっています。
そういった状況に対して、内部告発を制度化する、という企業が出てきましたが、
僕はそれが正解のような気がします。
忠臣蔵が大好きで、家族的企業経営に慣れてきた
多くの日本人にとっては、どうしても内部告発というと
裏切りのようなニュアンスがあって気持ちのいいものではないかもしれませんが、
慣れていくしかないような気がします。

すべての企業が日本のために頑張っているわけではない時代に、
ゲセルシャフトとゲマインシャフトを混同した
家族的企業経営の感覚のままでいると、利益を求める企業が暴走を始めた時、
誰も止められなくなってしまうような気がします。

企業が組織的に反社会的な行為に加担している時
社員がそれを外部に訴える事は
家族的企業経営の感覚では、家族を裏切るような
或いは暖かい共同体に対する敵対行為であるような
気持ちになってしまいます。
ですがもうゲセルシャフトはゲマインシャフトではない
のです。つまり会社は家族ではない。

僕自身も実は某企業にいた時に、一度上司から企業犯罪に近いことを
指示されたことがあります。
困ったな、と追い詰められていた時に
同僚から、それ犯罪だよ、と指摘されてハッと
して正気を取り戻し、こと無きを得ましたが
そういった時に内部告発制度があると助かるな、と実感します。
一社員としては、上司に反社会的行為を指示された場合でも、自分の生活も
保障されず、同僚から裏切り者扱いされるかもしれない、というリスクのもとでは
中々外部へ訴える事ができません。

ゲセルシャフトはゲマインシャフトではない
つまり、会社は家族ではない、というのが
常識にならないといけないのかもしれません。



-秘密結社の合言葉、Ⅴ、へ続く-
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