2003年6月1日日曜日

ゲームの途中でルールが変わるスポーツ!? 2003.6.X 初出

ゲームの途中でルールが変わる
スポーツ。

たぶんそんなスポーツはないと
僕は思いますが、銀行の頭取さん達は
最近よくそんなふうに嘆きます。
先日僕は、某銀行に公的資金が
投入されてカチンときてエッセイを
書いてしまいましたが
一方的に非難ばかりしてはいけない、と
思いなおしました。
相手の立場に立って物を考えるというのは
人類の黄金律です。

いったいどうスポーツの
ルールが変わったのだろう。
ものの本によると、グローバル化する経済活動の中で
企業会計も日本式を止めて国際会計基準を
導入する事になったらしい。
おそらくこれが銀行の頭取さん達が言う
ゲームの途中でルールが変わったという
事ではないだろうか。
いや、たぶんそうだ
きっとそうだ。絶対にそうだ。

従来の日本式の会計から国際会計基準に
ルールが変更されると
いったいどのように銀行経営は苦しくなるのだろう。

時価会計基準の導入、というのが難物らしい。
従来は取得時の価格で土地や株式を計上していたのに
それを突然、これからは時価、今の価格で
計上して下さい、となってしまったのだ。
取得時の価格から現在の時価へ

そうなると土地神話のもと
取得時には高騰していたであろう地価で
計上していた資産は、会計上一気に目減りして
しまうし
実際には株式を売買していなくても
東証の株価が下落して時点で
会計には赤字を計上しなくてはならなくなる。

現在の経済状況でそんな会計基準にいきなり
変更されたら、どうやっても会計上赤字に
なるしかないのだろう。
僕は分かった。それで銀行の頭取さん達は
ゲームの途中でルールが変わるスポーツだ
とプンプンしているのだ。

サッカーの試合をしていて
もつれにもつれた接戦の末に
3対2まで追いついたのに
後半25分に突然審判が笛を鳴らし
これからは1ゴールを3点で
計算します、と言ったら
きっと選手も監督も怒るだろう。
銀行の頭取さん達の気持ちもちょっと分かる。

でも現在の日本では、ほとんどの人が
そういう気持ちを抱えているのではないだろうか。
会社に忠誠を誓う事がよい事だったのに
突然、これからは会社に依存しないで
下さい、と言われて困っている人は
恐ろしくたくさんいると思います。

現在、世界も日本も大きな変化の中にあり
ビジネス書界の重鎮、ドラッカー博士によれば
この変化はあと十年以上続くらしいとの事です。
2013年までこの混乱が続くのか、と
思うと、僕は嫌になります。

~今日は大事な来客があるので
近所の花屋さんで花を
買ってきました。
店員さんと話をしていたら
最近は台湾やシンガポールからの
輸入ものの花が多いとの事でした。
ただ輸送中に痛んでしまうことが多くて
持ち、はあまりよくないとの事。
でも生け花まで輸入かよ、と僕は
驚きました。
どうやらグローバル化は止める事のできない
事実のようです。
銀行の頭取さん達にもなんとか
この難局をくぐり抜けてほしいと思います。