2003年6月1日日曜日

悟りの秘訣 2003.6.X 初出

前回のエッセイ、長寿の秘訣、では
何やら暗い話になってしまったので
今回は明るい話題を……と思って、悟りの秘訣、を
用意したのですが、悟りの秘訣というのは明るい話題
なのだろうか、と冒頭で逡巡しています。

前回はセラトニンの話だったので
今回はメラトニンの話です。
ご存知の方も多いかもしれませんが
メラトニンもセラトニンと同じく
心の安定に大きな役割を果たす神経伝達物質です。

ストレス社会アメリカで
一時メラトニンが発売されましたが
メラトニンを摂取すると睡眠障害が治るとかの
効用があったはずです。

では、何故メラトニンが悟りの秘訣なのか
と言いますと、あのお釈迦様が、なんと
ゴーダマ・シッタルダ様がメラトニンを
キメて悟りを開かれたからなのです!
と、センセーショナルに書いてしまいましたが
仏教関係者の方々はこのエッセイを
読んでも訴えないで下さい。

ではお釈迦様はどこでメラトニンをキメられたのか
といいますと、お釈迦様が悟りを開かれたと言われる
菩提樹の下でキメられていたらしいのです。
菩提樹の実には大量のメラトニンが含まれて
いるらしい、という事が明らかになってきています。
さらにさらに、メラトニンというのは
脳のちょうど真ん中あたり、だいたい両目の真ん中
あたりに位置する、松果体、という部分に作用する
という事も分かってきています。
両目の真ん中、つまりかつて第三の眼があったと
言われる部分にメラトニンは作用するのです。
そういった様々な事実が科学的に明らかになるにつれて
僕はお釈迦様はやっぱり凄い人だな、と思いました。
菩提樹のもとで悟りを開いた、という
何気ない一つの行為に、脳科学的に見ても
重要なメッセージを含んでいるのです。

まず菩提樹の下に座り瞑想にふける。
そして時折、近くに落ちている菩提樹の実を口に含む。
菩提樹の実にふくまれるメラトニンを
摂取したところでさらに瞑想にふける。
空腹の中で摂取されたメラトニンが
消化器官を通して吸収され始め
それが両目の真中あたりに位置する松果体に作用する。
メラトニンで刺激された、松果体、が
第三の眼を開き始める。
そして限りなく睡眠状態に近く
かつ研ぎ澄まされた精神状態の中で
悟りのビジョンを得る……。

完璧です。はっきり言って科学的に見て
文句なしの悟り方です。
まず瞑想の場として菩提樹の下を選んだと
いうところがすごい。
菩提樹の実にメラトニンが含まれる、などという
データがない時代に、どうしてお釈迦様は
菩提樹を選ばれたのだろう? と思うと
僕は畏れを抱きます。

悟りの秘訣、メラトニン。