仙台高等裁判所の地下食堂で
法曹関係者に混じってトンカツ定食を
食べた僕は、いかめしい裁判所の雰囲気にも
慣れてきました。
食事というのは本当に不思議なものです。
敵対関係にある人とおいしく食事を取る、と
いうのは難しいですし、一緒に食事をする事で
親和性が深まる事もあります。
仙台高等裁判所の地下食堂で
法曹関係者に混じってトンカツ定食を
食べた僕は、よく考えてみれば犯罪者と疑われて
ここに連れてこられたわけでもないのだし
隣人とトラブルを抱えているわけでもないのだから
裁判にかけられる心配はないのだ、という
当たり前の事に気がつきました。
仙台高等裁判所の地下食堂で
法曹関係者に混じってトンカツ定食を
食べた僕は、喫煙所で食後の一服を
吹かしました。
隣りで上等のスーツに弁護士バッチをつけた
三十歳くらいの男性が煙草を吹かしています。
きっとやり手のエグゼクティブ弁護士です。格好いい。
エグゼクティブ弁護士の煙草の銘柄は
マイルドセブンワンでした。
タール1mgの健康煙草です。
僕の煙草の銘柄はセブンスター。
なんとタール14mgです。
僕は、勝った、と思いました。
-仙台高等裁判所、其の五、へ続く-
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